家族愛に涙する一冊|『漁港の肉子ちゃん』(西加奈子)を読んだ感想

この記事では、西加奈子さんの著書『漁港の肉子ちゃん』を紹介しています。

こんにちは、すっちー(@succhi104)です。

西加奈子さんの『漁港の肉子ちゃん』がとても素敵な内容で、「感想書きたい!」と思ったためこの記事にまとめていこうと思います。

 

この記事を書いているのは、年間200冊以上の本を読む読書が好きな20代の新米社会人です。
読書の魅力を伝えたくて、読書について発信をしています!

 

本書のあらすじ

主人公のお母さんである「肉子ちゃん」は男に騙されてばかりの女性、一人娘である「キクりん」と北の小さな漁港に流れ着き焼き肉屋で働くことになります。

そんなお母さんである肉子ちゃんのことをキクりんは最近「恥ずかしい」と思っている。

いつも明るく朗らかな肉子ちゃんの様子や町の人が娘のキクりん視点で語られるお話です。

 

まず肉子ちゃんですが、当たり前ですが本名ではありません!

彼女は「菊子」という名前であり、太っているという理由で肉子ちゃんと呼ばれています。

そんな肉子ちゃんはとても明るくて声がとにかく大きく、とても朗らかな人物。

しかし、彼女の男性遍歴はなかなかなもので「男にだまされた母」とありますが、このだまされた数が一回じゃ済みません(笑)

何人もの男にだまされ、借金を背負うことも…朗らかな性格なせいかとにかくダメな男に引っかかってしまう女性なんです。

しかし、そんな借金を抱えた状態でもいつも明るく、周りの人を笑顔にさせちゃう肉子ちゃんはまるで太陽のような存在。

私は肉子ちゃんのこのキャラにまず惹き込まれました。

娘のキクりんと北の港町へ

借金をすべて返し終わった肉子ちゃんは、娘のキクりんこと「喜久子」ちゃんと北の町へと移住しました。

実は肉子ちゃんとキクりんは同じ「きくこ」という名前なんですね。

娘に自分と同じ名前を付ける親がいるのは珍しいと思ってしまいました。

肉子ちゃんは今まで大阪、名古屋、東京などのスナックで働いていましたが、この港町では焼肉屋「うをがし」で働くことに。

店主の「サッサン」がお店を畳もうと思っていたころに肉子ちゃんが現れたんですね、ナイスタイミング!

そしてここから肉子ちゃんとキクりんの新たな生活が始まります。

本書を読んだ感想

肉子ちゃんをはじめとする町の人たちがいい!

あらすじでも書きましたがとにかく肉子ちゃんが素敵な女性なんです。

借金でつらい日々だけどいつでも明るく周りを照らす太陽のような存在。

普通であれば暗くなってしまう状況なのに肉子ちゃんはたくましい。

私の家も母子家庭だからこそ思うのですが、母一人で子供を育てて働くことは非常に大変だと思うんです、肉体的にも精神的にも。

日々の生活に疲れてしまい、周りの人を明るくさせるくらい元気でいられるって難しい。

だからこそ「肉子ちゃんすごいな!こんな女性になりたい!」と思っちゃうんです!

一人の女性として、そして素敵なお母さんであることに尊敬してしまいます。

キクりんの心理描写

この物語はキクりん視点で書かれているのですが、このキクりんの心理描写や心の変化が読んでいて楽しいです。

キクりんはちょっと肉子ちゃんのことを「恥ずかしい人」だと感じていました。

肉子ちゃんと呼ばれるようにかなり太っている、ダメな男に引っかかる、服のセンスがダサい、突拍子のないことを言ってきたり…。

そんな母の姿を見て育ったキクリンは、どこか肉子ちゃんのことを冷めた目で見ている雰囲気が読んでいて伝わりました。

しかし、終盤になるにつれて肉子ちゃんを見るキクりんの心に変化が現れます、この変化をぜひ読んで感じとっていただきたい。

また学校の友達との関係、マキさんへの憧れ、写真家の人への恋心などキクりんの肉子ちゃん以外の人との関わり方、感情も読んでいて面白かったです。

肉子ちゃんの過去と一人の女性

物語の終盤で一人の女性と肉子ちゃんの過去のお話になります。

その女性とは借金を背負って働くことになった風俗で出会います。

お店で「醜い」と言われている肉子ちゃんとは反対に「1番可愛い」と言われている女性、この2人が仲良くなれたのも肉子ちゃんが裏表のない性格であるから。

周りの人が「1番可愛いから」仲良くするのに対して肉子ちゃんは純粋に彼女を好きになったから仲良くする。

それに気づいた彼女も肉子ちゃんのことを好きになれたんです。

そんな二人が仲良くなり生活を共にするまでになるのですが、ある日事件が起きてしまいます……。

詳しく書いてしまうとネタバレになってしまうのでぜひ読んでみてください、物語の核心に迫る重要なシーンです!

おわりに:西加奈子さんの描く女性はたくましい

西加奈子さんの著書『漁港の肉子ちゃん』を紹介していきました。

西加奈子さんのお話は私たち女性に勇気をくれる内容や作品がとても多いです。

別作の『i(アイ)』も読みましたが、主人公の女性が本当にたくましくてカッコいい。

読み終わった今もまた読み直したい気持ちでいっぱいです!

  • 逞しくてカッコいい女性が描かれいるお話
  • 女性として勇気をもらいたい人
  • 自分に自信がない人

ぜひ読んでみてください、必ず元気と勇気がもらえるはずです!!

今回紹介した本はこちら↓

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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