この記事では知念実希人さんの著書『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』の紹介、読んだ感想をまとめています。
この2冊を読んだきっかけは、母からの「いい話だから読んでみて〜」という勧めでした。
母親が勧めてくる本だからきっといいお話なんだと思っていたら、案の定、帯には「読書メーター読みたい本ランキング第1位」「感動あふれる!」という文字が大きく書かれていました。
こんな風に書かれていたら期待もしちゃいますよね!
読んでみたら、期待通りに素敵で感動する内容でした。詳しい感想は後述したいと思います。
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』は以下に当てはまる方におすすめしています。
・感動系の小説が読みたい方
・ハートフルミステリーが好きな方
・読後感の良い作品を読みたい方
すっちー
Contents
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』本の概要
『優しい死神の飼い方』は読後、母親に返してしまったので『黒猫の小夜曲』の画像だけ失礼します。
以下、『優しい死神の飼い方』のあらすじです。
犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷…もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた―。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフルミステリー。
(引用:「BOOK」データベース)
以下、『黒猫の小夜曲』のあらすじです。
黒毛艶やかな猫として、死神クロは地上に降り立った。町に漂う地縛霊らを救うのだ。記憶喪失の魂、遺した妻に寄り添う夫の魂、殺人犯を追いながら死んだ刑事の魂。クロは地縛霊となった彼らの生前の未練を解消すべく奮闘するが、数々の死の背景に、とある製薬会社が影を落としていることに気づいて―。迷える人間たちを癒し導く、感動のハートフル・ミステリー。
(引用:「BOOK」データベース)
なんで『優しい死神の飼い方』と『黒猫の小夜曲』を合わせて紹介するかと言うと、『優しい死神の飼い方』の続編にあたるのが『黒猫の小夜曲』だから。
『優しい死神の飼い方』や『黒猫の小夜曲』のどちらかだけを読んでも面白いですが、やはり2冊とも読んだ方が面白いです!
『優しい死神の飼い方』では、後にクロとして黒猫になる同僚が出てきたり、逆に『黒猫の小夜曲』では前作でゴールデンレトリバーになるレオが出てきたりと相互間を楽しむことができます。
すっちー
『優しい死神の飼い方』は2016年5月12日に出版され、『黒猫の小夜曲』は2018年1月11日に出版。
ページ数はどちらも約400p、一冊の中にいくつかの短編のお話が書かれているのですがそれらのお話が全体で繋がっているので読み応えがありました!
知念実希人さんの著書紹介
知念実希人さんは『優しい死神の飼い方』や『黒猫の小夜曲』以外にも、『誰がための刃 レゾンデートル』が第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞していたり、「天久鷹央の推理カルテ」シリーズや「神酒クリニックで乾杯を」シリーズなど数多くの作品を書いています。
他の作品を読んだことあったかなーと記憶を辿ってみましたが、残念ながら死神シリーズ以外の作品は読んだことがありませんでしたね。
すっちー
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』感想
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』感想①:一つ一つの短編のお話に感動する
本の概要でも少し説明をしたのですが、一冊の中に短編のお話が4話入っています。
(『優しい死神の飼い方』に、何話収録されているのか確認するのを忘れました)
現世に未練を残した魂たちの未練を断ち切ってあげるために、死神であるレオやクロが奮闘するのですが、どのお話も泣けるいいお話になっているんです。
読む前は一冊を通して「この本は感動した!」って思うのかと予想していたのですが、まさか各話で感動できるとは、、、
予想外の感動の嵐でした!
すっちー
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』感想②:死神と人間とのやり取りに深みと面白さを感じる
『優しい死神の飼い方』と『黒猫の小夜曲』の醍醐味でもある、死神と人間との会話が非常に魅力的になっています。
このお話では「人間よりも高位の存在」であるとされている死神のレオとクロ、人間と関わる当初は人間をどこか見下してバカにいるような発言や考えがありました。
が、人間たちや現世に残った未練たちとのやり取りの中で、レオとクロにも「人間らしさ」「人だからこそ思ってしまう心」に少しずつ影響されていきます。
そんな感情の変化も読んでいて面白いと感じた部分です。
また、死神と人間とのやり取りの中で「人間の良い面と悪い面」を改めて感じることができたのも本書を読んでよかったと思えたことです。
以下は、『黒猫の小夜曲』で印象的だと感じた部分を引用させていただきました。
「ええ!?けれど、大学の教授なんでしょ。そう簡単に話できるかな?それに私、そう言う人と話すのちょっと苦手なんだけど……。麻矢は引きつった笑みを浮かべる。
『どんな立場だろうが、なにも機にする必要なんてないよ。所詮は同じ人間なんだから』
「いや、たしかにそうなんだけど……。なんとなく偉い人の前では気が引けちゃうのよね」
まったく情けない。どうして人間は自分と他人との間の優劣を気にするのだろう?(p.202)
たしかに、身分の差から態度が変わってしまうというのはあるあるですよね。
死神からしたら、これはおかしいことなんでしょうね。
「ねえ、クロ……」
『ん?なんだい。麻矢』
「たしかに人間って、自分の欲のために人を傷つけたりする、汚い面はあるんだ。けれどね、そんな汚いところだけじゃなくて、優しいところもあるんだよ」(p.320-321)
とある事件の解決に向けてクロと麻矢が動いているときの会話です。
「汚い面も優しい面もある、それが人間なんだよな」と当たり前のようなことに気づかされましたね。
このように、小説から人間ってこんな面もあるよねという発見ができるのが『優しい死神の飼い方』と『黒猫の小夜曲』という作品でした。
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』感想③:最後に全てがつながり、きれいにオチがある!
先ほど、一つ一つの短編のお話が収録されていると申しましたが、これらのお話が最後にはすべてつながり綺麗にまとめられているんですよね。
つまり「感動+感動+感動+感動=超超超超感動」みたいなことが起こるんですよね(例え下手かな(笑))
伏線とか前のお話とのつながりが最後に活きてきますので、最初から最後まで気を抜けず読めて楽しめちゃいます!
すっちー
ここまで綺麗にまとめられていたら、読後感のよさがピカイチだと感じること間違いなしですね。
以上が『優しい死神の飼い方』と『黒猫の小夜曲』の感想でした。
・帯の文言通りに感動があふれていた!
・死神と人間という異色の会話に魅了された
・綺麗なオチで読後感よし!
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』感想まとめ
知念実希人さんの著書『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』の紹介、読んだ感想をまとめていきました。
少しでも本書に興味を持っていただけたら嬉しいです!
この記事の中でかなり「感動」という言葉を使用した気がしますが、何回使っても足りないくらい感動できました!
久しぶりにいい本を読めたな〜という感覚になりました。
仕事終わりの寝る前にいつも読んでいたのですが「明日会社がなければもっと読めるのに…」といつも思いながら本を閉じて寝ていました(笑)
あなたにもぜひ、本書を読んでいただきたいと強くおすすめします!
今回紹介した本はこちら↓
すっちー