突然ですが、「集中力はいらない」というタイトルを見て、あなたはどのように感じますか?
こんな風に思う方が多いと思います、私も同じように考えました。
集中力について深く考えずに「集中力=善いもの」という認識がどこかにありますよね。
しかし、著者の森博嗣さんは集中力はいらないとこの本の中で説きます。
本当に必要なもの、それは「考える力」「思考力」なんです。
『集中力はいらない
』では、
- 集中力とは何か
- 集中力は善なのか
- 集中しないことのメリット
- 本当に必要な考える力の話
といった集中力の大前提から、私たちに本当に必要である「考える力」について、森博嗣さんの思考を垣間見ることができます。
「集中してやれば勉強は捗る、割と何でもできる」と思っている人にこそ、読んで欲しいと思う1冊です。
Contents
『
集中力はいらない
』をおすすめしたい人
『集中力はいらない
』は、以下に当てはまる方におすすめの本です。
- 集中力は善いものだと思っている
- 自分は集中できないからダメだと感じている
- 集中力よりも考える力をつけたい
- 森博嗣さんの考え方が好き
- SNSをよく使う20代の方
「もっと集中力があれば勉強や仕事が捗るのに」なんて思う方は、実は、集中力がなくても問題がないと新しい発見のある1冊になっています。
また、普段から頻繁にSNSを利用する人にも読んで欲しいです。
森博嗣さんはSNSをほとんど使わない方で、SNSを使わないことによるメリットや情報の捉え方を見直す機会ができました。
すっちー
『集中力はいらない
』の魅力
次に、『集中力はいらない
』の魅力を以下の3つをテーマに紹介していきたいと思います。
- 集中力がなくても問題ないことがわかる
- 集中よりも考えることが重要だとわかる
- 分散思考の魅力を知ることができる
すっちー
1.集中力がなくても問題ないことがわかる
『集中力はいらない』というタイトルの通り、本書を通して「集中力はなくてはならないものではない」ことが森博嗣さんの考え方から理解することができます。
本書ではまず、森さんが集中力を疑うところから入ります。
「集中力」という言葉があるが、まるで人間には「ものごとに集中する能力」があるかのように表現されたものだ。具体的にそれがどういう力なのか、今ひとつ僕にはわからない。だが、誰もそれを疑問には思わないみたいだし、それどころか、集中力は非常に良いもの、素晴らしいものであって、集中力があればあるほど有利になり、なにごとも解決するような、魔法みたいな特殊能力として扱われている。(p.4)
確かに私も、集中力はあればあるほど勉強や仕事の効率が上がり、結果として良いものが出来上がるという「イメージ」を持っていました。
本当に集中力があったらから成果が出たのか、集中力がどういう力なのかなんて疑うこともしたことがありませんでした。
読者をはじめとしたみんなが常識と考えていた事象を疑うことから始まっているため、続きが非常に気になり読む手がどんどん進みましたね。
また、目次では「集中をやめると本来の力が生まれる」「発想は集中からは生まれない」「集中とは「機械のように働く」こと」など興味を惹かれるワードがたくさん書かれています。
人間に必要なのは「集中」ではなく「思考」であることがあなたにもわかるはずです。
森博嗣さんのわかりやすく簡潔な文章でお話が進むので、非常に読みやすく理解しやすい文章でした。
2.集中よりも考えることが重要だとわかる
「1.集中力がなくても問題ないことがわかる」でも少し紹介しましたが、人間であれば機械でもできる作業ではなく知的生産に少しでも多くの時間をあてたいですよね?
知的生産をする上で本当に必要なのは「思考力」なのではないでしょうか?
多くのデータをまず見ること、目の前のものや既存の概念に囚われないで、無関係なものをつなげてみたり、常識外れの解釈をしたり、無駄なことに注目したり、さまざまなタブーを頭の中で取り替え引き替え試すような多視点の思考が必要です。もちろん一方では、それらを客観的に観察し、これだというものを評価し見逃さないことも重要。ですから、きょろきょろとしている人と、その人を監視している人が少なくとも必要で、この人たちが何組も働いているわけです。これを、言葉にすると、「発散」あるいは「分散」みたいな表現になります。(p.76)
新しい発想を得るために必要なのは、さまざまな事象をつなぎ合わせる「多視点の思考」であると著者は言います。
あなたも一点に集中して物事を考えるよりも、いろんな物事を組み合わせる方が新しい発想ができる気がしませんか?
すっちー
数学や物理など計算して解を出すような思考型問題でないのであれば集中が必要になるかもしれません、受験勉強も思考よりは集中が必要なのは頷けます。
社会に出てみると答えがある問題を解くことはほとんどなく、答えがない問題の方が圧倒的に多いです。
そんな時に必要なのは集中ではなく、思考であることがきっと理解できるんじゃないかなと思います。
3.分散思考の魅力を知ることができる
著者の森さんは一つのことに集中して取り組むことが苦手(人よりもできない)であり、分散思考の持ち主であることがわかります。
そして分散思考には多くのメリットがあることも本書で教えていただけます。
ここでは分散思考のメリットの一つを引用したいと思います。
また、分散型の進め方については、ほとんどの仕事が実は既に分散型である。誰でも複数の仕事を任されているはずで、それは、仕事の地位が上がっていくほど、顕著になる。つまり、入社したてのうちは集中するものが絞られているが、リーダは、その全体を見回す立場にあるため、どこかに集中しようにも、そうはいかない。
(中略)
仕事が丁寧にできるし、トラブルにも慌てないですむ、というのは、客観的な判断ができることにもつながる。これも、分散型の大きなメリットである。ただし、「客観」に価値があることを知らない人には、その意味はわからないだろう。
多くの人たちは、主観的な動機で行動している。主観的というのは、つまり感情的であることに近い。感情は主観によって発動されるものだからだ。(p.115-116)
ここでは分散型思考には「マルチタスク」と「客観的な判断」というメリットが紹介されていました。
会社員だけではなくどんなお仕事の人でも「わかる」と思うような一節なのではないでしょうか?
新人よりも役職を持っている人の方が仕事全体を見る機会が多く、自分の仕事に集中したくてもなかなかできませんよね。
同時に客観的な判断が必要になってくることも納得ができます。
こんな時にも分散思考が大きく関わってくるんだなと学ぶことができました!
その他にも仕事上で役に立つような思考法が随所で紹介されていますので、気になる人にはぜひ読んでいただきたいなと思います。
おわりに
森博嗣さんの著書『集中力はいらない
』の紹介、読んだ感想をまとめていきました。
少しでも参考になる部分があれば嬉しいです!
本書を読めばより「集中力」と「思考力」について理解することができる一冊になっていますので、興味を持っていただけたら一度手にとっていただけると嬉しいななんて思います┌|∵|┘
本書の最後の方には「やる気」について紹介もされていましたので、引用させていただきます。
できるだけ自分の未来を想像して、自分がどうなりたいのかというビジョンを持つことが、結局はやる気につながるのではないでしょうか。ビジョンは、願望であったとしても、頭で考えたものですから、感情ではないと思います。
とにかく大事なことは、やる気ではなく、やるかやらないかなのです。そして、やるために必要なものは、計画です。計画を立てたら、あとは、監督の自分に叱られつつであっても、嫌々であっても、それをするしかない。この段階に至れば、あとは本当に実行あるのみで、あまり考えなくても良く、悩むことも少なくなりますから、楽なルーチンになるはずです。(p.189-190)
私も監督である自分に叱られつつ、今日もブログ運営を頑張っていきます!
今回紹介した本はこちら↓
すっちー