この記事では、小坂流加さんの著書『生きてさえいれば』の紹介、読んだ感想をまとめています。
恐ろしく純粋で前向きかと思えば複雑な思いを持つ春桜、難しい家庭環境で育った秋葉と春桜の関係性、怒涛の展開を魅せるラブストーリー。
裏表紙にも書いてある「息もつかせぬ展開」とはこのことかと納得させられる印象深い一冊でした。
こんにちは、すっちー(@succhi104)です。
今回は小坂流加さんの『生きてさえいれば』を紹介したいと思います。
毎回毎回、お母さんの本のチョイスはいいなぁと感服しながら読書を進めています(笑)
『生きてさえいれば』はこんな方にオススメの小説です。
- 恋愛小説が好きな人
- 切ないストーリーが読みたい人
- 気軽に読める本が好き
- 今大切な人がいる人
- 女子大学生
Contents
『生きてさえいれば』本の概要・あらすじ
大好きな叔母・春桜(はるか)が宛名も書かず大切に手元に置いている手紙を見つけた甥の千景(ちかげ)。病室を出られない春桜に代わり、千景がひとり届けることで春桜の青春の日々を知る。学内のアイドル的存在だった読者モデルの春桜。父の形見を持ち続ける秋葉。ふたりを襲う過酷な運命とは?―。魅力的なキャラクター、息もつかせぬ展開。純粋な思いを貫こうとするふたりを描いた奇跡のラブストーリー。『余命10年』の著者が本当に伝えたかった想いの詰まった感動の遺作。
(引用:「BOOK」データベース)
『生きてさえいれば』は2018年12月13日に出版されており、比較的発売されたばかりの小説です。
ページ数は約350pでふつうの文庫本の文章量かつ、読みやすい文章でサクサク読めました!
ストーリーは春桜が病院にいる現在から、約7年前の大学生時代の回想という展開、大学生時代の恋愛にスポットが当たっています。
- 秋葉と春桜の気持ちや関係の変化
- 家族との関係
- 過去から現在の変化
など 見所がたくさんあり非常に楽しむことができた作品です!
すっちー
小坂流加さんの著書紹介
小坂流加さんが出版している本は『生きてさえいれば』と『余命10年』という作品になります。
非常に残念なことに、小坂流加さんは病気のため2017年2月に逝去されました。
この先、小坂さんの新しい作品を読む機会がないことが本当に本当に残念で…。
そのくらい『生きてさえいれば』という作品が面白かったのですが、私にはまだ『余命10年』があります!
『余命10年』は出版時期やタイトル、内容をから著者自身の人生を重ねているのではないかと考える読者も多い名作です。
出版順に『余命10年』→『生きてさえいれば』と読めばより一層、小坂流加さんの世界を楽しめるかもしれませんね。
『余命10年』の書評はこちら↓

『生きてさえいれば』の感想
単純かと思いきや複雑な思いをもつ春桜が魅力的
本作で一番魅力的だと感じたのが春桜という人物の存在です。
大学生でありながらモデルとして活躍している春桜の生活は一見すると順風満帆。
男の人にも苦労していなそうですが、春桜は秋葉と出会った新歓で「秋葉くん、結婚しよ!」というまさかの告白、というかプロポーズをします。
告白の理由が「春と秋でうまくいきそうだから」というわかるようでわからない理論!告白された秋葉もこれにはほとほと呆れてしまう始末です。
すっちー
告白後も秋葉の後ろをついて回ったり質問攻めやバイト先までついてくるなど、一歩間違えばストーカーと訴えられるんじゃないかという行動の数々。
なぜそこまで大胆な行動に出るのか、ポジティブすぎる思考の理由、「春と冬を繋ぐのは、夏と秋」というフレーズの真意など春桜には目が離せないですね。
『生きてさえいれば』感想:秋葉、春桜共に複雑な家庭環境に考えさせられる
秋葉、春桜ともに家庭環境が非常に複雑になっていることも、ストーリーに魅力を生み出しているんだと私は感じました。
秋葉と妹の夏芽は腹違いの兄妹、それ故に確執が生まれてしまう瞬間もあります。
「自分の居場所がない」こんな風に感じてしまった秋葉は、大学生になると共に大阪から東京へ逃げるように上京してしまいました。
一方の春桜は父親と母親をなくしてしまいます。
唯一残された肉親の姉、冬月は春桜のことを憎らしいと感じていました。
アイドル並みに可愛い妹は自分よりも愛されて育ってきたと思っていたんですね。
春桜が仲良くしようと行動しても冷たくあしらう冬月、見ていて少し悲しくなってしまくらい冷たいんです…。
こんな お互いの家庭環境も関係して進むストーリー が、作品に面白さを出していますのでぜひ楽しんで読んでほしいなと感じました!
『生きてさえいれば』感想:純粋すぎて美しい二人の恋愛模様が必見!
『生きてさえいれば』の醍醐味は 「純粋なラブストーリー」 という点は忘れてはいけません。
終盤の二人の考えや行動には涙ぐむところもあり、素敵な恋愛だなと感心しました。
モデルとして活動しているが故のファンの悪質な行動、二人をよく思わない友人からの嫌がらせなどに悩まされながらも、二人で立ち向かっていく姿には二人の「本当の愛」を感じます。
初めて二人が出会った頃と終盤を見比べてみると、より一層愛を感じること間違いなし!
物語の最後には、本書を読んだ人なら必ず感動、胸が高鳴るシーンがあるので楽しみに読んでほしいです。
おわりに:『生きてさえいれば』は、その後が気になる物語でした
小坂流加さんの著書『生きてさえいれば』の紹介、読んだ感想をまとめていきました。
少しでも本書に興味を持っていただけたら嬉しいです!
最後に、春桜の姉である冬月さんが言った台詞が個人的にとても好きだったので引用させていただきます。
「春桜は生きるわよ。人はね、どんなに悲しいことがあっても、どれほど絶望しても、ひとつの感動や、ひとつの喜びやひとつの恋で生きられるの」
「生きているから、悲しいことや、絶望があっても?」
(中略)
「生きていなくちゃ、悲しみや絶望は克服できないのよ。生きて時間を前に進めないことには、感動や喜びや恋に出会えないからね」(p.342)
「生きて時間を前に進めないことには、感動や喜びや恋に出会えないからね」という部分が特に好きです。
時間を前に進めて、自分の気持ちと向き合った冬月さんだからこそ言えたであろう台詞なこともグッときました。
今回紹介した本はこちら↓
すっちー


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